デザインの話

藤本壮介の建築「原初・未来・森」で感じたもの

大阪万博と時期を合わせて森美術館で開催された「藤本壮介の建築」に行ってにきました。
展示構成や展覧会コンセプトはもちろんですが、上映されていたインタビュー動画の話が興味深いものでした。

北海道の自然の中で育った藤本壮氏は、大学で東京に出てきて下町の雑然とした街並みの中に森を感じたと。整然とした秩序の中だけでなく、雑多な中に魅力があると感じていたと。
藤本氏と同世代の私も大学時代から建築に強く関心を持っていたのですが、当時は安藤忠雄の建築に代表されるような自然の中にありながらもフラットで均質的な建築がそのコントラストとして美しさを作り出し、私もそのような世界に魅了されていました。そんな中、雑然とした中の魅力を見出していたという藤本氏は、その次の時代を作る源がそこにあったのでしょう。

その足跡を辿るかのように、壁面には日本の建築の流れと藤本壮介の歩みを並列させた年表でまとめられていました。1990年前後に藤本壮介が影響を受けた建築から始まり、各年の代表的な建築が記されています。

私にとっても学生時代から外から見てきた建築の歴史を辿り、21世紀に入り2020年代の今新たな価値が形になっていることを確認する内容でした。50年を早送りでみて、未来までを見たような時間でした。

大屋根リングを構想した大阪万博についてのインタビュー動画もありました。この話があったのが2020年、大きな社会の変化があった時期だったと語っています。
コロナにより、会わない世界、会わなくてもいい世界ができた。
トランプが大統領になり、分断される世界ができた。
だからこそ会うことが尊く、多様な民族、多様な価値観を持つ人がひとつになること、リングの中に集うことが尊いと。
多様でありながらひとつであること。
藤本氏の描く未来の社会の姿が、この展覧会に、大阪万博に込められていることを感じました。

そして今日は、万博最終日。
報道ステーションで紹介していた、落合陽一のことば
「人間って捨てたもんじゃないよね」
その光を見たような1日でした。

 

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