ブランディングを意識した経営は、大企業だけでなく中小企業や小規模店舗でも大事な要素となってきています。ブランディングというと、魅力的なロゴマークを作ればいいと思う人いるかと思いますが、ロゴは他に多くある店舗や会社との「識別」する役割に過ぎません。
ロゴを見た時に、顧客(生活者)が思い浮かべるその店舗や企業のイメージがあります。
そのイメージとは、顧客が経験したすべての体験によりそのブランドのイメージを作り上げられていて、そのイメージを作り上げるための取り組みや努力が、ブランドを作り上げていく=ブランディングなのです。
例えばスターバックスのロゴマークを見た時に、みなさんが頭の中に浮かべるイメージはどのようなものでしょう?フラペチーノなど具体的なドリンクを思い浮かべる人もいるかと思いますが、それと同時にみなさんの頭の中に浮かんでくる世界観があるはずです。それはドトールコーヒや、星乃珈琲とは、違う世界観ではないでしょうか。例えば・・・
- 重厚すぎず、軽すぎず、洗練されたおしゃれなインテリア
- かっこよく見える店員さんに、親しみを感じる笑顔(ほどよい距離感)
- Macで作業するクリエーターぽいお客がいる
- 見た目にも美しいドリンクメニュー
- 美味しい味、香り、、、
- なんだかその空間にいると、自分もかっこいい時間を過ごしている気がする、、、
など、顧客が体験した感情と、認知した店舗や商品の価値が記憶として刻まれ、ひとつのイメージ像が顧客の中で形作られます。その世界観は、顧客が体験したすべての積み重ねによって作り上げられたものです。
AppleもiPhoneなどの製品だけでなく、洗練されたパッケージ、Apple Storeでの体験(スタッフ含む)、CMのイメージなど、みなさんの頭の中にイメージがあると思いますが、顧客が体験するすべてのメディアに対して統一したイメージを伝えるよう綿密にコントロールしながら顧客体験を作っているのです。
しかし素晴らしい体験を与えることができたとしても、その記憶は一時的なもので顧客に忘れさられてしまっては意味がありません。体験の記憶を積み重ねるたびに共通のブランドとして顧客の頭に刻み込むことが必要になります。そこでロゴマークの識別機能が必要になるのです。
ロゴマークは他のブランドと識別しながらそれら、その体験を思い浮かべるきっかけを作っていることになります。その際には、もちろんブランドの理念を体現した形で、かつ顧客に与える体験と同一のイメージでなければなりません。
ロゴマークは、ブランディング(共通した体験と価値を伝えるための取り組み)を体現し想起させるための重要なメディアなのです。