この夏は電力の逼迫が報じられています。災害時の停電のリスクも無視できません。私の家では、環境のためにできることとの思いで、1年前に太陽光パネルを設置し太陽光発電をはじめました。夏場は降り注ぐ太陽のエネルギーでエアコンの電力を賄い、エアコンフル稼働でも電気代は前年より1万円も安くなりました。しかし蓄電池はなかったため、どんなに昼間にたくさん電力を作っても夜には電力を買う必要がありました。
夜の電力もできるだけ電力会社に頼らず自分で作った電力を使いたいと、蓄電池導入に踏み切りました。
我が家は10年前に建てたオール電化住宅で調理も給湯も電気を使うため、オフグリッド(完全自給自足)とはいきませんが、夜の調理時に発電した電気を使えるという点で蓄電池の役割は大きいものでした。
そして今日の猛暑。東京でも6月としては過去最高の36度を記録し、地球温暖化が身近に迫っていることををひしひしと感じる1日でした。
そんな太陽も、我が家では大きなエネルギー。朝の10時には、10Kwの蓄電池も90%近くになっていて、すでに30度を超えていたためリビングのエアコンをつけながらも蓄電池にはみるみるチャージされ、お昼すぎには100%になっていました。
その後のエアコンを使い続けながら夕食はIHで調理をし、ようやく夜10時の時点で50%に減っているという状況でした。さらにその後はエコキュートでお湯を沸かすのですが、さすがにその部分までは賄えず深夜電力を買っています。
昨年の夏は、蓄電池なしの太陽光パネルだけで電気代が1万円安くなりましたが(600kW→360kW)、蓄電池が入った今年の夏の数字はどのようになっているか楽しみです。
蓄電池の設定は、モニターから細かく設定できます。蓄電池の電力はすべて使い切ることもできるのですが、災害時に備えて設定した量を常に残しておくこともできます。私は常に10%の電力を蓄電池に残しておくようにしました。また蓄電する電力は自家発電した電力だけでなく、天気が悪い日が続いた時など電力会社から買うこともできるのですが、これも自分で設定でき私は0%とし自分で発電した電力だけで蓄電するようにしました。
太陽光パネルと蓄電池の設置工事をしてくださった工事会社のお話では、最近では、新築工事において太陽光パネル+蓄電池+EV自動車充電の3点セットが標準的になっているとのことでした。そして先日、東京都の小池都知事が新築住宅に太陽光パネルの設置の義務化を発表しました。
私はみなより少しだけ早く太陽光発電の生活をはじめました。これも2011年の福島第一原発の事故を受けて脱原発を訴え、すぐに自らが実践して太陽光発電した電力だけで暮らすオフグリット住宅を設計された一般社団法人えねこやの代表湯浅剛さんの存在があります。今の私の価値観を形作る上で大きな存在となりました。しかし当時は、原子力発電や火力発電に頼らない自然エネルギーだけで成り立つ社会なんて理想的で応援するけれど、本当に実現できるものなのかという思いもありました。それでも人々が安心して暮らすために地球の未来のためにエネルギー問題が重要であることや、再生可能エネルギーの可能性について訴え続けられ、今や気がつくと社会はSDGsだ、カーボンニュートラルだと今や企業のトップたちが行っているではありませんか。湯浅さんが描かれた姿が当たり前の世の中になっていているのです。
それでも産業革命からの気温上昇を1.5度以内に抑えるというパリ協定の目標を1年でも早く実現するには、まだまだ努力をしなければいけません。ロシア・ウクライナの戦争もエネルギー問題にとって後退させるような影響を与えています。未来を生きる子どもたちが安心して暮らせる社会のために、子どもたちに伝えることが大切と活動を続けてこられた湯浅さんの姿と言葉を思い返し、私も歩んでいきたいと思います。