社会・未来について

「電気を買う」から「電気をつくってためる」時代へ

私の自宅の屋根に、太陽光発電パネル設置を検討しています。我が家は、2011年の東日本大震災の直前に設計が完成し、震災後に着工、12月に竣工しました。それから9年経過した今、世界のエネルギーを取り巻く価値観が大きく変わろうとしています。太陽のエネルギーの力を生かした生活をしたい、そんな衝動が私の中にあります。

そして先日は、一般社団法人えねこやの代表で建築家でもある湯浅剛さんと、我が家を設計してくださった建築家 中村高淑さんにお越しいただき、話を伺いました。
湯浅さんは、家の屋根の太陽光パネルで発電した電力だけで、その家で使う電力をまかなう「オフグリット建築」を自ら設計、実践している建築家さんです。福島の原発事故以降、日本の発電問題を提唱し、地球環境に優しいエネルギー転換の実現のために活動を起こされています。今でこそ、再生可能エネルギーをと多くの人や企業が言うようになりましたが、当時まだまだ実現なんて難しいのではという空気の中、未来のためにと信じて行動を起こしながら、多くの実績を積んでこられた方です。私もえねこやの会員となり、そのセミナーなどから地球環境やエネルギー問題について学ばせてもらっています。

現状:オール電化住宅とエコキュート

現在我が家は、オール電化住宅で、給湯は電気料金の安い深夜電力を使ってお湯作り貯めるエコキュートを使っています。南に開けた大きな窓からは光が降り注ぎ、冬の晴れた昼間はぽかぽかと、暖房をつけることはほとんどありません。
ただ夏の昼間は、2階リビングはとても暑くなり、エアコンはフル稼働。今年の夏はテレワーク で在宅時間が長かったため、電気の使用量も例年よりも増えました。
下図は、今年の我が家の1日の電気使用料のグラフです。(くらしTEPCOマイページより)、5月は昼間はほとんど電力を使わず、深夜電力でお湯を沸かす深夜の方が電力を多く使っています。一方で8月は、昼間の電力を多く使っています。
左 8月/右 5月

自分で発電した電力を使う

太陽の光に恵まれた我が家で生活をしていると、太陽のエネルギーの力を体感的にも感じることが多くあります。湯浅さんはじめオフグリット住宅で生活している方々からも、夏場はたくさん発電するので電力があり余り、電気を使わない方がもったいないとの声を聞きます。
自分の家の屋根にたくさんの太陽エネルギーが降り注いでいるのに、エアコンで使う電力を買うなんて、おかしい気がしてきます。自分の家で発電した電力を使って、そのままエアコンを稼働させる。とっても合理的な電力の使い方ではないでしょうか。

さらに今は深夜電力で沸かしているお湯を、昼間に作った電気で沸かして貯めれればベストです。

電力の買い取り価格は、2019年には6分の1まで下がり、「電気を売る」というメリットはあまりなくなってしまいました。でも自分で使う電気は、自分で作るシステムができあがったら、とてもスマートなライフスタイルだと思うのです。

車もこれから電気自動車にどんどんシフトしていくでしょう。自宅で発電した電力で車を走らせることができれば、ガソリンを使わずCO2排出の削減にもつながります。

電力を貯める

太陽光発電システムの導入には、電気を作るだけでなく、作った電気を貯めておくという蓄電システムもセットで考えられています。そうすれば、昼間に作った電力を貯めて、夜に使うことができて理想的です。
それについても湯浅さんから話を聞いたところ、パネルの設置と工事だけであれば100万円程度なのに対して、家庭用リチウムイオンバッテリーのシステムを含めると400〜500万円ほどかかる大掛かりなものになるとでした。

私の勝手な印象ですが、蓄電技術は発展途上でまだまだ進化していく気がするので、もう少し成熟するまで待ってもいいのかなと思っています。少なくても今降り注いでいるエネルギーを、無駄にすることなく生活ができるだけでも、私が理想とするライフスタイルが実現します。

まだまだ検討段階の入口に立ったばかりですが、これから迎える新しい暮らし方を、様々な情報を得ながら楽しんで実践していきたいと思います。


ハンファQセルズジャパン 「住宅用太陽光発電システム」パンフレットより

 

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