会社経営のこと

自社(デザイン会社)のためのオリジナル業務管理システムの開発

昨年はスタジオネオ独自の業務管理システムリニューアルを行い、運用を始めて半年が経過しました。
プロジェクト発生時からの見積・請求・入金の管理と、スタッフの勤怠管理と連動させ、そのプロジェクトに誰が何時間携わったのか、プロジェクトの採算性がとれているのかを自動集計し、経営分析までも見える化した理想的なシステムができあがりました。

リニューアル検討時は汎用アプリなども試してみたのですが、痒いところに手が届かないといった点が多くあり、やはり自社に合わせてオリジナル構築をしたいとそれまで10年間使用していたFile Makerのシステム構築してくれた会社に相談し、そのシステム会社が新たなサービスとして提供を進める建設業専門システム(建設BALENA)が私が求める仕様を備えていることを知り、そこで実現している機能を盛り込みながら私の方でシステム構成図の作成、Adoee XDでの各ページのデザインを作成し、詳細に指示を出しながら1年ほどかけて実現に至りました。

このシステムで実現した機能は以下のものです。
1)プロジェクト管理
2)外注管理
3)取引先管理
4)保守管理
5)出勤簿・日報
6)経営分析

▼エントランス画面
ログインした後に表示される画面です。スタッフごとに入れるページの権限を分けています。

1)プロジェクト管理

▼プロジェクト一覧
顧客から相談があった段階で、プロジェクトが発生します。
プロジェクトを登録して、以下の情報を設定、条件検索できるようにします。

<業務カテゴリ>
・web制作
・web単発更新
・印刷・グラフィック
・動画制作
・ロゴデザイン
・企業ブランディング
  など

<状況カテゴリ>
・提案段階
・準備段階
・実施中
・請求済み
・納品済み
・入金済み(外注未払い)
・入金済み(外注源泉税未払い)
・完了


▼プロジェクト詳細画面
そのプロジェクトの情報を登録します。
顧客名で検索してソートしたり、以下のカテゴリごとににソートできます。



▼見積リスト
そのプロジェクトの過去に出した見積履歴のリスト。
「詳細」ボタンクリックで該当する見積書を表示。
「確定」ボタンを押した見積書の数字で、請求書・納品書が自動出力され、経営分析など各集計にこの数字が引き継がれます。

2)外注管理

プロジェクトリストから、その案件に関わる外注先(印刷会社、カメラマン、コピーライターなど)の一覧を表示します。
ここから発注詳細内容はもちろん、外注先の情報、さらにその外注の過去のプロジェクト履歴と発注金額も一覧で見ることができます。

3)取引先管理

取引先のリスト。詳細ボタンから取引先の詳細情報を確認できます。
「取引先種別」では、受注先だけでなく、外注先や、スタッフも含まれます。
条件検索ができ、「誰から紹介されたのか」を登録した取引先の中から紐づけることでソートできます。スタッフを登録することで、どのスタッフがこの仕事を持ってきたのかを算出し、その数字を賞与に反映させています。
「法人」か「個人」かは、源泉税が発生するかどうかの判断情報となります。

4)保守管理

スタジオネオの業務は新規制作の案件だけでなく、webサイトの保守業務があります。
これが汎用アプリでは賄えない部分で、オリジナル構築を決断したポイントです。
保守業務の管理は「契約期間」という概念があるため、新規プロジェクト案件とは別に保守専用のリストで業務管理をしています。
案件毎に違う保守費用と契約期間を登録し、契約更新をするたびに過去の枝番が増えていくしくみです。また「当月保守満了リスト」では契約更新する案件を教えてくれます。

5)出勤簿・日報

出勤時間、退勤時間、休憩時間を入力。
有給日数のカウントも自動計算されます。

「経費精算」も「交通費計算」も、1ヶ月ごとの出勤簿の中で集計して出力されます。

「日報」画面では、登録されたプロジェクトの中からその日に行ったものをひとつずつ選択し、業務内容と時間を入力したものが1日の業務リストとして表示されます。
業務時間は、プロジェクトごとの合計として集計されて「経営分析」でも確認できます。

▼スタッフの日報画面

「日報メール送信」ボタンを押すと、入力内容が日報メールとしてあらかじめ設定したメールアドレスに届きます。テレワーク中においても、その日はどんな業務をしていたのかが把握できてとても助かります。

6)経営分析

プロジェクトの売上額、外注金額、スタッフの稼働時間のデータから経営分析ができる仕組みも作りました。
期間を指定して、以下の集計ができます。

▼プロジェクト毎の時間単価(粗利÷業務時間)

▼プロジェクトのスタッフ作業時間
そのプロジェクトに関わったスタッフ名と、作業時間と割合が集計されます。

▼受注できた案件(完了)と、NGだった案件の比率(金額ベース)
以下は2022年の数字。





▼期間指定で、カテゴリごとの売上比率を集計

システム画面マップ

「勤怠管理」を除くプロジェクト関連のシステムマップは以下の通りです。
1つのプロジェクト情報から、その顧客の過去の案件一覧や、外注の過去の履歴一覧にボタンひとつで移動できることが大きな特徴です。
プロジェクトごとの番号と、それに関連付けられる見積書の履歴の枝番、納品書、請求書、外注への発注書など番号付けのルールも指定しています。

このようにスタジオネオで行われている業務を丁寧に分解し、独自のシステムに落とし込むことで、探しやすく、比較しやすく、漏れも防げ、プロジェクト全体を俯瞰して把握することができる、理想的な環境ができあがりました。
この効率化により、本来のクリエイティブの業務に専念しさらに質の高い仕事ができるよう努めていきたいと思います。

 

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