閲覧したwebサイトのテキスト情報が、一時的にパソコンやスマホに保存されるCookie。インターネット広告の配信においてもこのCookeiの情報が利用されていましたが、プライバシー保護の観点から広告における利用法に変化をもたらしています。
2021年Appleは先行して、ユーザーのプライバシー保護の対策を行い、アプリ開発者はユーザーに対して、他社アプリやwebサイトを横断して自分のアクティビティを追跡することを許可するか尋ねなくてはならないといった対策(ATT:App Tracking Transparency)を行ってきました。
Gooleも、それまでのサードパーティCoolie(他のwebサイトの情報を横断して取得する)の代替技術FLoCを2021年に発表していましたが、その個人を追跡するのではなく、同属性でまとめた分類の情報を利用するという新システムも、広告企業はそこからも個人を識別する試みがなされるようになり、プラバシー保護が不十分と指摘を受けていました。
そして、1月26日にGoogleから発表されたのが「トピックAPI」。ユーザーのChromeでの閲覧履歴から関心の高いトピックを選び、ユーザーのデバイスだけに保存。そのトピックは3週間で完全に削除され、ユーザーはブラウザ上で、トピックを追加したり、削除したり、自分でコントロールできるというのです。
そのトピックは、トピックAPIを導入したwebサイトに訪れると、過去3週間に記録されたトピックの中から選択が行われ、広告パートナーと共有されるとのことです。この仕組みであれば、「高い透明性」を保ちながら、ユーザーの関心のある広告を表示できるのです。
私たちが無料でアプリやwebサービスを利用できるのは、広告が支えているからです。
ユーザーにとっても、表示される広告は自分が関心のあるもの、欲しいと思っている分野の情報であることは歓迎すべきことです。そして表示される広告を自分でコントロールでき、その内容が明瞭になることは、自然な進化の形かもしれません。
参考:
Goole Japan Blog 2022年1月26日「プライバシー サンドボックスの新しい Topics API について」
日本経済新聞 2022年1月27日「グーグル、広告絞り込みで新技術 プライバシー配慮」