■作品概要
日本人特有の感性でもある決して単純明解に割り切ることのできない二面性の共存を表現したものである。乳白色の水を薄く張り,その水面に向かって構造体の内部からと,外部の上方から,2台のスライドプロジェクターで投影をした。内部に内蔵されたプロジェクターからは,抽象に近いビジュアルが80枚順に投影され,上方のプロジェクターからは,文字の図像が写し出される。その上方から写し出された像は,水面で反射し周囲の壁で像を結ぶ。さらに水面に波紋を立てるよう,小型スクリューが取り付けられている。そこでおこる波紋の影響を受け,壁に写った像は乱される。
これらの内蔵プロジェクター,外部取り付けプロジェクター,スクリュー3つの動きをタイマーでプログラムすることにより制御し,時間軸に沿ってそれぞれの光と動きを見せる作品である。ここで作られた空間と時間は,光とスクリューによって立てられる水の音と共に,ゆったりと観賞者を取り囲む。
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