生きること

コロナから半年経って思うこと

歴史的にも大きな変化となった2020年。
人々が家にこもり、活動を停止した緊急事態宣言間の1ヶ月間半、その後もソーシャルディスタンスを保ち不要な外出を控え、テレワーク、オンライン授業、、、夏になってもマスクを欠かさず、新たな日常を過ごしてきました。

東京オリンピックに沸くはずだった姿からは、一変した世界です。
先日発表された日本のGDPはマイナス27.8%。リーマンショックを超え、戦後最悪の下げ幅となる経済的にも厳しい局面を迎えています。

でもこの出来事は、私たち人類に大きな変革をもたらすもので、プラスの効果と気付きを与えてくれるものでもあったと感じています。

1つはデジタル化の加速。IT技術を使い効率的に仕事ができる事を知り、新しいコミュニケーションの手法が選択肢に増えたこと。(すべてオンライン化すればいいというわけではありません)
そして私たちの働き方の改革。働き手にとって何が一番幸せなのか、場所に縛られない働き方の選択肢が増えたことは、子育てや介護をしている人にとって就労のチャンスを広げるものです。

もう1つは地球環境への影響です。
企業活動や工場が停止し、大気汚染物質は大幅に減少したとの報告があります。※1

人類は産業革命以降、工業を発展させてきましたが、それはCO2を排出し地球環境を汚染するものでもありました。空を飛んで地球の反対側にも行けるようになりましたが、航空会社から排出される CO2の量は、世界の2%を占めています。※2
世界人口もどんどん増え、このままのペースでは2055年には100億人を突破し、その全ての人類がアメリカ人並みの生活を送るとしたら、地球5個分の資源が必要になると言われています。※3

医療技術も進化し、日本ではいずれ人生100年時代が到来すると言われています。
私たち人間の欲望は、どこまで満たせば満足するのでしょう?
この地球に生を受け、その恵みを地球上に生きる生物と平等に与えられ、生を全うしていきます。
その生態系のバランスの中で、私たち人間は生きているのです。

一方で、私たち人類は共に助け合い、隣の人の命を大切に想う感情は、何よりも尊いものだと思います。
だからこそ未知のコロナウィルスに恐怖心を感じるのは、当然の感情です。

ただ無症状や軽傷者含めた染者数が、毎日報じられる日々においては、恐怖の対象は死ではなく、周囲からの視線へと変化し、その背景には感染者への差別的な感情があることは、とても悲しいことです。

私たちの欲望を、社会全体、地球全体と共存するという視点で立ち止まって見つめ直し、そして多くのエネルギーを使わず活動することを支えるためのIT技術、エネルギーそのものを作る発電技術など、人間の英知を、地球と人間が共存するために進化させることができれば、それが人類の進化した姿となるのかもしれません。

 

※1 NHK NWES WEB 中国 武漢 企業活動停止で大気汚染物質 大幅低減

※2 日経新聞 2020年5月18日記事より

※3 NEWS WEEK 日本版より
https://www.newsweekjapan.jp/glenn/2018/07/2055100.php

 

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